おととしのローブドコート(ウールとアンゴラのフランネル)

お盆を過ぎると朝晩はめっきり涼しくなる信州の八月末。夏の縫いもののお祭り騒ぎも、黒のリネンサージのワンピースで終わってしまい、なんだか気が抜けてしまった。

ここの夏はあまりに早くに過ぎる。スイカの産地に住んでいるので近所の其処彼処で賑わっていた直売所ももう閉店してしまった。厳しい残暑に、知り合いと顔を合わせる度に「あっついねー!」と困り顔で言ってみたりするけれど、終わっていく夏を見送るのはやはりさみしいものだ。嘘みたいに早く乾く洗濯物。素足で履けるサンダルやフラットシューズ。サラリと一枚で着るワンピース。乾いた喉にごくごく美味しいキーンと冷たい水出しフレイバードティー。お茶代わりのジューシーなスイカ。16時頃から吹く涼やかな風。ほろ酔いで出掛ける夜の散歩。どれもこれもまた来年のこの季節までおあずけだ。

話しは変わりますが、信州では、羽織ものの出番が多いように思います。春先のトレンチコートや夏の日差しから身を守るためのカーディガン、秋にはパーカやロングカーデ、初冬のトレンチコート(ライナー付)やウールのコート、極寒の日のダウンコートなどなど。羽織ものがまったくいらない時期はそうそうありません。ということに去年(遅い)気付き、トレンチコートやダウンのライナー付きコートを、自分では作れそうになかったので、購入してみたりしました。コートはお値段がかわいくありません。たとえ自作にするにしてもコストが結構かかります。簡単なパターンでも、裏地を付けたり生地にこだわると材料費だけでも結構かかります。二着もコートを買ってさらに自分でも作るのは、家族の手前さすがに気が引けるので、去年は自粛しました。しかし、おととしは作りました。「ハニーゴールド」名付けられた色のフランネルで、ローブドコートを。ウールにアンゴラも入っているので、とても柔らかな風合い。フランネルは、ダッフルコートやPコート等に用いられるメルトンと比べるとふわっと軽い風合いなので、厳冬期の寒さを凌ぐには心許ないですが、寒さがそこまで厳しくない初冬や小春日和に羽織ると、優しい気分になれました。

渾身の一着。裏地付きウールのコート。
おととしの渾身の一着。裏地付きウールのコート。肩のラインが華奢なので、着痩せするような気がする。
見返しが襟になるので、襟付け工程のないやさしいパターン。
見返しが襟になるので、襟付け工程のないやさしいパターン。
総裏だぜ!
総裏だぜ!
総裏だぜ!(2回目)
総裏だぜ!(2回目)

つい先ほどまで、夏の終わりのせつなさに浸っていましたが、おととしのコートの写真を見ていたら、今年はぜひ裏地付きのコートを作って遊ぼう!という楽しみが降って湧いてきました。実は去年、作りたいと思って買っておいたチェスターコートのパターンが、裁縫机の棚にひっそりと眠っています。さっそく引っ張りだしてよく見て、どんな布で作るか考えなくては。

投稿者: michi

服を作るのが趣味なので、素敵な布屋さんへ行くと興奮します。

「おととしのローブドコート(ウールとアンゴラのフランネル)」への2件のフィードバック

  1. コートまで、作れちゃう美智子さんって凄い!(*゚Д゚艸)michiko’sスタイルの本、出しましょう(笑)

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