洋裁が趣味だと言うと、「じゃあ子供の服なんかも作ってるの?」とよく聞かれる。子供服は作ってもすぐに着れなくなるので、最近はあまり作らないのだが、服を作り始めた最初の頃は、たまに息子二人のズボンを作ったりしていた。こども服はかわいい。大人の服に比べると布も半分以下で足りるし、小さいから裁断も縫うのも楽だ。出来上がったものを着せてみるとこれまたかわいくて、こどもも一瞬くらいは喜んでくれるので、こちらも満足である。
二年前に作ったお揃いのズボンは、長男が大きくなったので、もうお揃いで着ることはできない。お兄ちゃんが着ていたものを今は次男が着ている。パターンを決めて布を吟味して作った服も、子供たちの成長の前ではあっさり速やかにその役目を終えていく。残念な気もするが、成長の証しでもあるので、もったいないとかかなしーとか言うのはちょっと違うだろう。ただ、少しだけだが、胸が痛い気がする。早すぎる成長をあまりにも直接的に感じさせられてしまうからだろうか。買ってきた服ならば、ああもう着れなくなっちゃったなで済むはずだが、自作の服だと、子供のサイズをきちんと測ってパターンのサイズと照らしあせて、でもジャストサイズだとすぐ着れなくなるから少し大きめにして、布もすこしお兄さんになってからも着られるように少しだけ大人っぽくして、、、といろいろな思い入れが自然とつまってしまっているからだろうか。作ったこども服がどんどんサイズアウトしていくのは、とにかく切ない。
切ないから作りませんっ!という結論で終わる予定だったこの投稿だが、写真を見返したり、こども服のかわいさを思ったりしていたら、切なさもまた手づくりこども服の持ち味かもと思いついた。信州の短い夏はもうお盆を過ぎると終わってしまうので、秋冬のズボンをお揃いでまた作ってもいいかもしれない。