最近の洋裁本はお洒落で、取り組みやすいものが多い。現役のスタイリストさんが出版されるものは今の流行がほんのり反映されていて、上質な布を選んで本のとおりに作りさえすれば「ザ・手づくり服」の野暮ったさはない。また、洋裁教室を開いている方のそれは、型紙の段階で縫い代込みであったり、効率的に綺麗に縫うことができるように工夫されいたり、その上で、手持ちの既製服に寄り添えるレベルのものが出来上がるようになっている。こんな内容のものを1500円かそこらで、出し惜しみなく掲載していいのだろうか。私はそんなことを心配してしまうが、貧乏臭い主婦の金銭感覚よりももっと鋭敏かつ的確な計算の上で価格は決定されているはずなので、いらぬお世話である。
さて、今日は現役スタイリスト佐藤かなさんの洋裁本に掲載されていた、「ポケット付き白ブラウス」のご紹介です。白いTシャツをイメージしたパターンだそうで、本ではブラウスに一般的に用いられる綿ローンで紹介されていましたが、私は個人的にハマっているコットンサテンで作ってみました。
永遠の定番、白いTシャツ。若い頃はこれにデニムやスカートを合わせるのがこなれたオシャレだと思っていました。メーカーはどこだったか忘れましたがデニムにコンバースとか合わせてよく着ていたものです。さすがに、40歳目前となったいまは、なんの変哲もない白のTシャツをかっこよく着こなせるほどの肌の張りもないしスタイルもよくないし、その他いろいろあんまりないので、残念ながらすっかり遠ざかっておりました。でもこの白ブラウスなら、なんだか大丈夫そうです。
サテンは、細い糸使いで光沢の強い優美な織物のことをいいます。最近なにかと話題のチノパンに使われるチノクロスなどに比べると丈夫さは劣り摩擦には弱いですが、特徴である滑らかな肌触りは癖になります。Tシャツをイメージしたカジュアルなブラウスを、優美なサテンで作る。こんなギャップが大人の遊び心っぽくて好きです。