「禁断の風合い」。いつもの布屋さんの布の説明ページにこう書かれていた。しかもコットンサテンである。「サテン」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるだろうか。サテン。上質とは言えないポリエステル100%特有のどぎつい光沢の布。原色のカラーバリエーションしかない布。学生時代の校則まるで無視の目立つグループの中心メンバーがやたら張り切る運動会の応援団の衣装に、あるいは国道を法定速度あえて無視で爆音とともにひた走る暴走メンバーの方々の衣装に、あるいは、第二の青春を謳歌する団塊の世代が趣味にと始めた社交ダンスの衣装に多用される布。サテンという布に対する個人的イメージはあまりよくなかった。しかし、いつもの布屋さんのサイトにアップされている「コットンサテン」は、上品な光沢と趣のある色で、いかもに上質そのものである。しかも禁断の風合いですって?サテンのくせに?本当かしら。試してみようじゃないの。
かくして布はポチッと購入され、パンツは製作されたのでありました。
本当はスカートを作ろうと思って購入したのですが、その時の気分がパンツだったので個人的定番の太めタックパンツを作りました。なるほど確かに禁断の風合いで、完成した翌日から気付いたら3日連続で着ていました(汚いかそうでないかはさておき)。滑らかに肌になじみ、ぱっと鏡を見れば上品な光沢がその辺のチノパンとは一線を画しています。同じサテンでも、素材や織りが上質ならこうなるのかと感心せずにはいられません。同じ布でスカートも作ろうと、再びいつもの布屋さんのサイトを訪れた時はすでに遅く、売り切れておりました。去年の夏の終わり頃に作ったものですが、今もかなり未練がある布のひとつです。