バルーンスリーブプルオーバー(オックスフォード・ワッシャー)

金曜日の朝。パソコンやらスマホやら縫い物で酷使した目(どれも全くの趣味だけど)に、ただでさえ悪い姿勢も手伝ってどんよりと重たい首と肩と背中。寝不足のためか軽い頭痛もする。見上げた時計は7:15。まずい。次男を幼稚園バスに乗せるためには7:30には家をでなければならない。メイクもまだできてないし、着替えだってこれからだ。なななな何を着る。ボタンなんか付いていたらどうせ掛け違えてまた時間を浪費するだろう。ガバッと被れてそれでいてなんだかかわゆい、これだこれにしよう。

バルーンスリーブがポイントの真っ白プルオーバー。
バルーンスリーブがポイントの真っ白プルオーバー。

今回の投稿は、慌ただしい朝に3秒で着れるありがたい服、バルーンスリーブプルオーバーです。使った布はオックスフォード・ワッシャー。かっこいい名前です。無意味に人に教えたくなります。

まずワッシャーですが、これはシワ加工のことです。織り上がった生地を洗うことにより、風合いを柔らかくしたり洗いジワを出したりして、ナチュラルな感じや古びた感じを演出します。つまり、「オックスフォード・ワッシャー」は、オックスフォードという生地にシワ加工したもの、というほどの意味です。

そしてオックスフォードは、ボタンダウンシャツに必ずと言っていいほど用いられている生地です。「オックスフォードシャツ」とかいう商品名で売られているのをよく見かけます。でもなんでオックスフォードなんだろう?と気になる名前の由来ですが、19世紀末にスコットランドの紡績会社が4種類のシャツ用生地に、オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、エールの4大学の名をつけて売り出したことによるそうです。他の3つの生地がどんなものだったかはわかりませんが、柔らかくて通気性に富み、シワになりにくいオックスフォードは、素肌近くに着ることの多いシャツの生地にぴったりです。ちなみに「オックス」なんて略しちゃったりして、ちょっとした通を気取ることも可能です。機会があれば、ぜひ。

バルーンスリーブの内側は、実はこうなっている。ゴムではないのだ。
バルーンスリーブの内側は、実はこうなっている。ゴムではないのだ。

真っ白のオックスフォード・ワッシャー。布の段階ですでにナチュラルな爽やかさ全開でしたが、バルーンスリーブに仕立ててみてもやはりそれは衰えません。慌ただしく切羽詰まって選んで着た服だとは誰も思わなかったようで、「今日はさわやかでいいですね」とか「おしゃれですね」とかやたらと褒められました。白い服には魔法があるのかもしれない。

ん?ん?よく考えてみると、褒めてくれたのは、どんよりした首肩腰をほぐしてもらいに行った整骨院のスタッフの方々でした。ああ、そうか、そういうことか、接客業だもんなあ・・・なんて、ふてくされることなく褒め言葉を素直に受け取れる真っ白な心を、アラフォーの今もシワシワのおばあさんになっても、持っていたいものです。

投稿者: michi

服を作るのが趣味なので、素敵な布屋さんへ行くと興奮します。

コメントを残す